薬やまと堂

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うめ爺とうめ子の楽しく優しい日々

相談余話

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相談余話

第111話 「奥会津川べりの共同浴場にて」
大きな自然の中に身を置き、耳を澄ますと聞こえてくるのは、川べりのカジカガエルの鳴き声と温泉の流れる音だけです。
自然の営みも人間の営みも自然に生かされていると思うと、もっと耳を澄ましてその声を聞くことが大事ですね。
その風の音が、その河の流れの音が、虫たちが、自分に何を語りかけているのかですかね。
さあ、また明日から頑張りますか。  店主
第110話 「この今を大切に」
春は短しです。今年も酷暑の夏が来ます。
病いを抱えている方やお年寄りの方にとっては、年々耐えがたい日々が待っているようです。
熱中症にはじまり、ストレス・不眠による抱えている病の悪化が心配されます。
道元さんが言っております。「莫妄想(まくもうそう:妄想するなかれ)」です。
明日をわずらうことなく、今日という日を精一杯生きたいです。  店主
第109話 「私も兼好法師」
春の美しさは、桜から新緑の季節に移ります。
この頃から、胃腸の不調で相談者が多くなります。F子さんが、今年も相談に見えました。胃下垂が強く、漢方の服用が続いておりましたが、だいぶよくなったので、途中で中止していたそうです。ここでまた調子が悪くなり、相談に見えました。
誰しもあることですが、もう少し続けてほしいものです。F子さんに、「高い木の上で庭師の方が木を剪定して、だんだん下に降りてくると、兼好さんが一言気をつけよと申しました。困っているときは、誰もが一生懸命です。よくなると油断するものですよ。」と申しました。  店主
第108話 「病の重さとは」
冬の寒さの中にも、少しずつ春の温もりを感じるころになりました。今年は、桜の開花も早まる予定ですが、高齢者の方や体の弱い方にとっては、今年の寒暖差や気圧・湿度の変化の大きさに体調をくずし、例年より相談電話が多いようです。
いつもお話しすることですが、病を抱えている者が、病を悪化させる一つに、ストレスからくる不眠であり、抵抗力がさらに落ちれば風邪によって症状を悪化させます。
「高齢者や弱者であることを病とすれば二つの病を抱えているようなものです。」と申しております。  店主
 
第107話 「漢方店の保健室です。」
病いを抱えながら、病いを患う夫を介護するK子さん。お会いしてもう五年目になります。日々の生活を思うと、その努力に少しでも報いることが出来ればと、相談時間中は、K子さんの「保健室」として、いいお香と心地よい音楽と私の一言を添えて、K子さんのアジール(憩いの場)として、活用してもらっています。
良寛さんがこんなことを言っていますよ。
「君看ずや 双眼の色 語らざれば 憂いなきに似たり」です。今一番素敵なお顔をしているのは、K子さんですね。その調子、その調子です。  店主
 
第106話 「方丈記より」
今年も年末年始を利用して、旅に出ました。元旦早々の地震は、ブナの森の中の小さな宿にも来ました。
リュックに入れてきた一冊の本は、「方丈記」でした。その後の地震による災害は、絶望的なものでしたが、私には、鴨長明さんの美しい一文が浮かんでくるのです。
それは、
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」と言っているのです。
生きる希望がそこにはあるように思えるのです。どうか、命を大切にしてくださいと言っているようです。  店主
第105話 「我以外皆我が師」
光陰矢のごとし。今年一年を思い返す季節になりました。多くの方の出会いがありましたが、一方当店の歴史と共に歩んで来られたお客様や古い友人が亡くなりました。共に寄り添い励まし合い歩んできましたが、もういません。でも私の心の中で、「我以外皆我が師」として生き続けると思います。
また、来年相談余話でお会いすることを楽しみにしております。一年間ありがとうございました。  店主
 
第104話 「蓮の愛」
笑う門には福来たるですね。いつも青梅に来ると寄ってくれるHさん。今回は、照れた様子で、「私、今月で独身を卒業することになりました。もうすぐ定年になるのに、年下の人と結婚ですよ。縁とは不思議なものですね。」人生の秋を迎えるときに、彼の心の中は夢と希望に満ちた春を迎えます。ますます元気によい人生になることを願っております。Hさん本当におめでとうございます。これこそ良寛さんと貞心尼の蓮の愛ですね。  店主
 
第103話 「目は口ほどにものを言う。」
病の重さによって言葉にもならず、ただうつむき、私の前に座るAさんへ「言葉は、口から耳へではなく、目から目に伝わり、心に届く」ものです。どうぞ、そのままでいいんですよ。私の方からお話をします。もし、共感することがあれば、うなずいてください。望診学の良いところかもしれませんね。
良寛さんもこのような言葉を残しております。
「君看ずや 双眼の色 語らざれば 憂いなきに似たり」ですね。  店主
 
第102話 「人生とは修業の場です。」
梅雨明け間近、いつもの笑顔でY君が見えました。ずいぶん年下の青年ですが、心の中では、尊敬する頼もしい友です。父母の病、弟の学費まで面倒を見る、一家を支える身であっても、いつも笑顔を絶やさないおおらかな彼には学ぶものがあります。
その彼が病に倒れ、心配をかけまいと回復を待って来てくれたのです。一人で不安や孤独、恐怖と闘いどれほど辛い思いをしたのかと思うと言葉にもなりませんが、いつもの笑顔で私に近況を伝えてくれました。
病は人を成長させるようです。病のこと、新しい仕事のこと、私からの一言は、「一歩でも前に出て、そこから考えよ。」です。
Y君いつも君のことは、忘れませんよ。頑張れ、頑張れです。  店主