身体が訴えているのに頭の方がわかろうとしない方 一代で鉄工所を築き上げたSさんは、やせた方でどちらかというと虚証タイプの方です。若くして独立し、奥様と二人で頑張って来られ、現在は150名の社員をかかえる中堅の鉄工所の会長をしております。現場は二人の息子さんにまかせておりますが、何ぶんにも一代で築いた人の特徴なのでしょう。何かと現場に行っては社員を励まし、アドバイスをしております。誰よりも早く出社し、全社員が帰るのを確認してからご本人も帰るそうです。奥様と二人で毎回会話を楽しみながら、相談に見えてくださいます。奥様は御主人の身体をいつも心配され、現場には行かないように言っているそうですが、聞き入れてくれないそうです。私も現在の年齢、体質的特徴をお話して、健康に注意するようにお話ししておりますが、なかなか理解してもらえません。確実に万病の元であるが、誰も知らない風邪に注意が必要です。 ① 老人、虚弱児の様な抵抗力のない方は、風邪の症状は出さないで肺炎になります。 ② 病人の持病は、ちょっとした風邪で悪化し命取りになります。 ③ それぞれの体質によって風邪が原因とは思えない不快で苦痛な症状が無数訴えられます。 ④ 入浴はやめて、風邪に対する養生をしてください。 何度も申し上げます。お体の弱っておいでの方は、熱のない肺炎(だるい、息苦しい)直接つながります。 二人の息子さんにまかせて、ご夫婦2人でゆっくり温泉旅行でもしてもらいたいものです。
「耳根清浄(じこんせいじょう)にして苦患(くかん)なし」②
頭で分かっていても身体が分かろうとしない方 Iさんは、大手住宅ハウスメーカーの役員をしている方です。大変まじめな努力家です。若くして工学博士号を取り、現在のエコハウスの先駆けとなった方です。大阪に本社があるため、現在は単身赴任をしており、帰省すると当店に定期的に訪問してくださいます。そのIさんは、身体に良いと考えたことは、ストイックに完璧にこなす人です。運動でも食事でも奥様が心配になるほど完璧にこなしているそうです。私は相談でいつも心配しているのは、実証タイプの方が頑張り過ぎると、かえって虚証タイプの人より病気しますよと注意しますが、なかなか心に届かないようです。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」です。いわゆるオーバーヒートです。このタイプの方には ① 汝自身を知れ(天上天下唯我独尊) ② 自分に合った食生活と運動 ③ 自分に合った仕事の量と質 ④ 未病に対する自分に合った薬と健康補助食品 ⑤ ほどほどに休もうとする勇気 いつも奥様とほどほどについてお話をしておりますが、なかなか興奮さめやらず名馬のようで、二人でたずなを引いているようです。