東京都青梅市 漢方のことなら薬やまと堂
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第116話 「思いは『ひとつ』」
今年も初めて相談に来られた方や継続中の方一人一人に思いをいたす時期になりました。あの暑さの中、この寒さの中、良くなりたいとの思いで遠い所から来てくださいました。私も良くしたい思いで一年間頑張ってまいりました。来年もその思いを「ひとつ」にして頑張りたいと思います。
本当にありがとうございました。また来年も無事お会いすることを楽しみにしております。 店主
第115話 「いつまでも元気に」
11月に入ってまもなく、近くのマンション住まいの娘さんから電話がありました。母がお店に伺うそうなのでよろしくお願いします。
2ヶ月に1回300mを30分かけて一人で押し車につかまり、途中休みながら来ます。また、帰りも30分かけて帰ります。「娘に寄りかからず最後まで…。」との母の願いがこのような行動となりました。心に寄り添いあたたかく見守りたいですね。
「いつも、信号を押してくれる方がいるんだよ。誰かね。」ハ~誰ですかね。 店主
第114話 「個性の尊重」
今年も一年を振り返り、一人一人に思いをいたす季節になりました。母親の背中に隠れるように一緒に見えたM子さんも今年の秋はとても元気です。ニコニコ話す母親の隣で、相変わらず無口ですが、一生懸命うなずいています。
その年齢に達していない身体や精神性のいわゆる未発達の方が、「あなたは、もう20歳になったのよ…。」と言われても無口になるしかないのです。M子さんの成長をあたたかく見守りたいものです。家族の理解が一番ですね。 店主
第113話 「住まいは人なり」
青梅市釜の淵公園内に移築復原した旧宮崎家住宅があります。建造物として重要文化財であり、杉原バーバラ訳で「日本茅葺き紀行」にも紹介されており、一般的な農民の住まいとして、当時の人々の暮らしが偲ばれるようです。生活のため、一切の無駄がなく、あるのは生活の美しさのみがあり、不便、不足をただ当たり前のように受け入れ、家族が楽しく暮らしていたように思われます。茅を中心とした自給自足の循環社会がもう一度見直されることを望みます。住まいは人なりですかね。 店主
第112話 「合言葉はみんな元気です。」
休日は、やまと堂の相談コーナーは、山間部から見えるおじいちゃんやおばあちゃん、それに運転手をつとめる息子さんやお孫さんで和気あいあいです。おばあちゃんが、「先生も若いときは、いい男でほれぼれしたよ。」と言ってくれますが、きみまろさんのせりふじゃありませんが、西多摩新聞の掲載を見るとすっかり、私もおじいさんです。恥ずかしいかぎりです。みなさんとの合言葉は、一言「元気でよかった。」です。今日もみなさんとクマの話でもしましょうかね。 店主
第111話 「奥会津川べりの共同浴場にて」
大きな自然の中に身を置き、耳を澄ますと聞こえてくるのは、川べりのカジカガエルの鳴き声と温泉の流れる音だけです。
自然の営みも人間の営みも自然に生かされていると思うと、もっと耳を澄ましてその声を聞くことが大事ですね。
その風の音が、その河の流れの音が、虫たちが、自分に何を語りかけているのかですかね。
さあ、また明日から頑張りますか。 店主
第110話 「この今を大切に」
春は短しです。今年も酷暑の夏が来ます。
病いを抱えている方やお年寄りの方にとっては、年々耐えがたい日々が待っているようです。
熱中症にはじまり、ストレス・不眠による抱えている病の悪化が心配されます。
道元さんが言っております。「
莫妄想
(まくもうそう:妄想するなかれ)」です。
明日をわずらうことなく、今日という日を精一杯生きたいです。 店主
第109話 「私も兼好法師」
春の美しさは、桜から新緑の季節に移ります。
この頃から、胃腸の不調で相談者が多くなります。F子さんが、今年も相談に見えました。胃下垂が強く、漢方の服用が続いておりましたが、だいぶよくなったので、途中で中止していたそうです。ここでまた調子が悪くなり、相談に見えました。
誰しもあることですが、もう少し続けてほしいものです。F子さんに、「高い木の上で庭師の方が木を剪定して、だんだん下に降りてくると、兼好さんが一言
気をつけよ
と申しました。困っているときは、誰もが一生懸命です。よくなると油断するものですよ。」と申しました。 店主
第108話 「病の重さとは」
冬の寒さの中にも、少しずつ春の温もりを感じるころになりました。今年は、桜の開花も早まる予定ですが、高齢者の方や体の弱い方にとっては、今年の寒暖差や気圧・湿度の変化の大きさに体調をくずし、例年より相談電話が多いようです。
いつもお話しすることですが、病を抱えている者が、病を悪化させる一つに、ストレスからくる不眠であり、抵抗力がさらに落ちれば風邪によって症状を悪化させます。
「高齢者や弱者であることを病とすれば二つの病を抱えているようなものです。」と申しております。 店主
第107話 「漢方店の保健室です。」
病いを抱えながら、病いを患う夫を介護するK子さん。お会いしてもう五年目になります。日々の生活を思うと、その努力に少しでも報いることが出来ればと、相談時間中は、K子さんの「保健室」として、いいお香と心地よい音楽と私の一言を添えて、K子さんのアジール(憩いの場)として、活用してもらっています。
良寛さんがこんなことを言っていますよ。
「君看ずや 双眼の色 語らざれば 憂いなきに似たり」です。今一番素敵なお顔をしているのは、K子さんですね。その調子、その調子です。 店主
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