お話をお聞かせください。相談余話

相談余話

「われ未だ木鶏たりえず」

大横綱の双葉山が「われ未だ木鶏たりえず」と言われたことを思い出しました。第一に「競わず」むやみに余計な競争心を起こしてはならない事、第二に「てらわず」自分を自分以上にみせてはならない事、第三に「瞳を動かさず」回りばかりを気にしてキョロキョロ見回さない事、第四に「静かなる事木鶏の如し」木彫りの鶏の様に静かに自己をみつめる事と双葉山の謙虚なお言葉にはこのような深い哲学があるのかといつも考えさせられます。双葉山にももちろん木鶏にもなれそうもありませんが、どうか「心の病」で苦しんでいる40代、50代の方が救われますように願って書きました。

「合わせることが特効薬」

この仕事について、絶対的なものはないように思います。ましてや特効薬という絶対的なものもないように思います。専門家は絶対を目指して研究を重ねています。この絶対に効かせる自信を会得するために、この世にたった一人しかいないあなたという人間の体質に全てを合わせるために全知全能をかけること、これが絶対ということですし、その技こそが専門家であります。あなたに合わせた薬が「よく効き合っているとき」それが特効薬だと思います。さあ、今月もあなたにお会いできることを願って…頑張ります。

「老いても自立こそ人生」

聴いていて気持ちの良い言葉と同様、見ていて良い顔だなという人に出会うことがあります。つい最近2年ぶりにお会いしたKさんは、80歳にして現役の営業マンです。いつもニコニコして、たいへん謙虚な方です。仕事一筋にやってこられ、多くの苦労を乗り越えて来て、何ともいえない良いお顔をされています。おそらく仕事がすべての生きがいにつながり、健康で若々しく、誰もがKさんのようでありたいと願うでしょう。そして大事なことは「人間誰しも頼れるものは、自分の二本の足以外はないものだと教えてくれるKさんです。」

我(われ)以外(いがい)皆(みな)我(わ)が師(し)

うつ傾向の若い男女の方の相談が増えているようです。一人で行う仕事量が多く、休日を返上してまでも頑張っておられる方が多く見られます。企業側の生産性の問題もあるでしょうが、もう少しゆとりがあってもよいのではないでしょうか。また、30代は、全身全霊で社会に立ち向かう時期です。おそらくほめられることはなく、悩みの時代でもあります。悩みの中にいるときには見えませんが、はたから見ていると、立派な人間がつくられる時なのです。どうか学ぶ姿勢を忘れず、「我以外皆我が師(先生)」という思いで、乗り越えてください。立派な人間になるための登竜門のようでもあります。できたらもっとな悩みぬき苦労してくださいと申しておきます。

「人格―言うに言われぬ風格」

いろいろな肩書をお持ちのお客様がご来店してくださいます。会社での役職がある方、医療、福祉についている方、あらゆる分野でのその人を示す肩書をお持ちです。人格という言葉の「人」の部分は、その人本来の人間性を現わしていると思います。では、「格」は世間でいわれている肩書だと思います。人間的にも素晴らしく、それに見合う肩書がおありの方はなかなかいないものですね。そのような方がいらしたとしたら、いわゆるー言うに言われる風格の持ち主ではないでしょうか。

「歩歩(ほほ)是(これ)道場(どうじょう)」

ある20歳になるアトピー性皮膚炎を患っている青年とその家族を想いながら、人間には良い環境が絶対必要であるが、悪い環境も必要であると思いました。悪い環境で悪くなったというのは、その人の性格の問題であり、そのような人は良い環境において、果たして良くなったかと言えば、甚だ疑わしい限りである。良い環境で文句を言う人はいないから、あえて甘えたり、いい気になってはいけないと戒めたい。しかし問題は、悪い環境に置かれた場合に、悪い環境こそが、人間を一つ一つ智慧あるものに育ててくれる一大要素だと思うのです。悪い環境が与えられた時は、まず第一に与えられて然るべき自分だということを反省するとともに、第二に全能の佛からの授かりものだということにすることで、このような青年が成長するいわゆる自立への第一歩となるのではないでしょうか。人生の修業はかくも厳しいものですね。

「親鸞のお言葉―同胞(命あるものすべて同じ)」

その日一日の相談を終えて、夕方のそうじをはじめるころ、店の前を通称バル君が通ります。彼はいつも笑顔で私に手を振りながら、何度もあいさつをしてくれます。土・日以外は作業所で一日働き、夕方の帰り道です。雨の日も風が強い日もいつもきまった時間に店の前を通りあいさつをしてくれます。私が見当たらない時は、店の前で立ち止まり、私のあいさつを待っていてくれます。いつも心の中で「無事」家路に着くことを祈りながら、挨拶を返しております。彼はダウン症をもち、自立への道を歩んでいるのです。がんばれ、がんばれです。私のお客様にも自らが病に苦しんでいながら、同病に苦しむ人のために、千羽鶴を折る決心をして、その数三十羽にして世を去った人がいます。千羽折る事と三十羽しか折れなかった事とまったく違いはありません。それどころか病める人が病める人に鶴を折るとは、何と尊い事であり、ただただ頭が下がるばかりです。生かされていることの過酷さ、そして生きることの美しさというものをあじわっている毎日です。バル君いつもありがとう。

「耳根清浄(じこんせいじょう)にして苦患(くかん)なし」①

身体が訴えているのに頭の方がわかろうとしない方
一代で鉄工所を築き上げたSさんは、やせた方でどちらかというと虚証タイプの方です。若くして独立し、奥様と二人で頑張って来られ、現在は150名の社員をかかえる中堅の鉄工所の会長をしております。現場は二人の息子さんにまかせておりますが、何ぶんにも一代で築いた人の特徴なのでしょう。何かと現場に行っては社員を励まし、アドバイスをしております。誰よりも早く出社し、全社員が帰るのを確認してからご本人も帰るそうです。奥様と二人で毎回会話を楽しみながら、相談に見えてくださいます。奥様は御主人の身体をいつも心配され、現場には行かないように言っているそうですが、聞き入れてくれないそうです。私も現在の年齢、体質的特徴をお話して、健康に注意するようにお話ししておりますが、なかなか理解してもらえません。確実に万病の元であるが、誰も知らない風邪に注意が必要です。 
① 老人、虚弱児の様な抵抗力のない方は、風邪の症状は出さないで肺炎になります。 
② 病人の持病は、ちょっとした風邪で悪化し命取りになります。 
③ それぞれの体質によって風邪が原因とは思えない不快で苦痛な症状が無数訴えられます。 
④ 入浴はやめて、風邪に対する養生をしてください。
何度も申し上げます。お体の弱っておいでの方は、熱のない肺炎(だるい、息苦しい)直接つながります。
二人の息子さんにまかせて、ご夫婦2人でゆっくり温泉旅行でもしてもらいたいものです。

「耳根清浄(じこんせいじょう)にして苦患(くかん)なし」②

頭で分かっていても身体が分かろうとしない方 
Iさんは、大手住宅ハウスメーカーの役員をしている方です。大変まじめな努力家です。若くして工学博士号を取り、現在のエコハウスの先駆けとなった方です。大阪に本社があるため、現在は単身赴任をしており、帰省すると当店に定期的に訪問してくださいます。そのIさんは、身体に良いと考えたことは、ストイックに完璧にこなす人です。運動でも食事でも奥様が心配になるほど完璧にこなしているそうです。私は相談でいつも心配しているのは、実証タイプの方が頑張り過ぎると、かえって虚証タイプの人より病気しますよと注意しますが、なかなか心に届かないようです。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」です。いわゆるオーバーヒートです。このタイプの方には 
① 汝自身を知れ(天上天下唯我独尊) 
② 自分に合った食生活と運動 
③ 自分に合った仕事の量と質 
④ 未病に対する自分に合った薬と健康補助食品 
⑤ ほどほどに休もうとする勇気 
いつも奥様とほどほどについてお話をしておりますが、なかなか興奮さめやらず名馬のようで、二人でたずなを引いているようです。

百酌余滴

当店は、この地にて30年ほどになります。お客様との長いお付き合いの中で、当店にどうしても来られないお客様も多くなりました。それでも服用の継続をお望みの客様には、月一回の配達日にお持ちさせていただいております。お客様の中には車の駐車場から山を登り20分ほどかかります。ちょっとした登山気分です。訪問するのを楽しみにしてくださいまして、とても感謝されております。配達時のお礼でしょうか、湯のみに一杯のお酒がでてきますが、失礼がないように余滴をいただくようにしております。自然に感謝し、一体となって生きているお姿に頭が下がる思いです。

常照護

てんかんの娘さんが、当店に5年ほど前に御両親と来られ、漢方薬他、体質改善をしていただきました。2年ほどでてんかん症状も治まり、安心しておりましたが、最近、転勤先の静岡の方から連絡があり、また最近、以前のような症状ではないが、軽い痙攣症状とチック症状が現れたとのことでした。お母様からのお話を伺っているうち、一つ、気になることがありました。以前の相談の中で、ご両親様に「夫婦の有り様」についてお話したことを思い出し、現在はどうですか、「夫婦仲良く子供さんを見守ることが、子供さんの病気には大事ですよ。守られている安心感を与えてください。」と申しました。その時お母様は電話口で泣いていらしたようです。ついつい夫婦ゲンかを子供の前でしてしまい、以前お話ししたことを忘れていたようです。薬より大事なことですと申し上げました。

1.汝自身を知れ、補って治す。取って治す。

この世には、一人として同じ人間がいないように、丈夫でとても元気な人もいれば、見るからに弱々しく虚弱な人がいます。なかなか中庸の普通の人は来ません。風邪を拗らして、なかなか治らないということで相談に見えたお客様は典型的な虚弱タイプです。テレビコマーシャルを見て購入した風邪薬を一週間ほど服用しても夕方になると微熱がでて、だるく、最近は胃痛もでてきたと相談に見えました。お客様のような弱い体質の方には、一般的な風邪薬では負担が大きく、そのために風を拗らせたことを申しまして、胃腸に負担がなく、「体力を補って治す」漢方薬をおすすめしました。また、近くの専門店の店長さんは、見るからに赤ら顔の丈夫な元気な方です。風邪を引いても休めないということで当店に見えて、漢方薬を求めましたが、相談によると食欲もあり、胃腸もしっかりしているので、漢方薬をよりも一般的な風邪薬の方が効き目もよく、早く治りますよと申しました。できたら今日だけは早く帰宅するように申しました。エネルギーがあり過ぎる方の風邪は「取って治す」のが一番です。