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第34話 うめ爺、うめ子岩手花巻へ行く… 続編3

先ほど、「おしかばあさん」から、今日はお客様として一日楽しんでくるように、そして、明日帰る気持ちになったら私が迎えに行くと連絡がありました。はい、わかりました。今日のお部屋の係は、昔「おしかばあさん」のもとで修行した幸さんにお願いしてあります。この部屋の用意も幸さんがいたしました。あのお花も幸さんがおぼこのあきちゃんの気持ちを考えて、山にある野草の中でおぼこのあきちゃんの励ましになる花を選んで生けたそうです。この「つる」の折り紙に「がんばれ、あきちゃん」と書いてありますが、これもそうですか。はい、そうです。私のためにこれほどのことをしてくださって申し訳ございません。当旅館にお泊りいただいた方は、皆様元気になってお帰りになります。あなたも同じでございます。番頭さん本当にありがとうございます。ずいぶん古いお部屋ですが、どこもかしこも磨きこまれていて、かえってレトロでモダンな感じですね。お部屋から景色も素敵です。新しいものがすべて良いということではないんですね。今日の料理はやはり「おしかばあさん」のもとで修業した澪さんにお願いしてあります。それではゆっくりとくつろいで、当館の温泉を楽しんでください。はい、わかりました。それでは、私は失礼いたします。この後は幸さんと交代します。ありがとうございました。私、今日一日担当させていただきます、幸と申します。よろしくお願いいたします。おぼこのあき様、明日はどうなるかわかりませんが、今日は当館のお客様として、そう呼ばせていただきます。なんとも恥ずかしいですが、よろしくお願いいたします、幸さん。今、料理人の澪さんが山に入って摘み草をしております。おぼこのあき様が、お疲れのことと知って、身体に良い山菜を集めているようです。今晩の料理は、おぼこのあき様にあった、季節の摘み草料理を含めて、澪さんの料理を楽しんでください。はい、わかりました。あき様、「おしかばあさん」は大変厳しい人です。特に修行中はいっさい口答えも、何もできません。これでいいということはいっさいありません。しかし、それを続けているといつか「おい、まんじゅうを二個あげるよ」といいますので我慢してください。それが修行の終了です。そしてそれからは、「あとは、自分で考えて前に進むことだね、ご苦労様」と言ってくださいます。是非とも、あき様もそこまで頑張ってください。私も、澪さんも、一人前として今があります。それを願って今日一日、私たちも頑張りたいと思います。 つづく

2019/06/04