おぼこあきちゃんの売店

あきちゃんの売店

第14話 おぼこのあきちゃん 大相撲五月場所に行く

富岡の岩井堂の観音様にお願いしていたことが叶うことになったんです。
夢のようですが、本当にうれしいことです。
大相撲五月場所に行って、力士の炎鵬に「力水」をつけたいのです。
少々、お腹を壊しても飲ませたいのです。
今場所は勝たないともうテレビでは見えなくなります。そんなのだめです。行くしかありません。
どうも、社長もわかっていたようです。午後3時を過ぎると私がしこを踏み、すり足をしながらテレビ観戦するのをどうも見ていたようです。

そんなわけで、休みを利用して、両国の国技館にやまと堂全員で行くことになりました。
解説の北の富士山は、小さいにもほどがあるよ炎鵬は、と言うし、舞の海さんは、どうも炎鵬は、自信をなくしているようですね。と言うし、もう、私が行くしかありません。私が行って、そっと力水を差し上げたいと思います。全員の炎鵬ハチマキに私が夜なべして作ったハッピを着て応援するつもりです。

当日の対戦相手は、千代丸です。じっくりせめろよ炎鵬、相手に不足はないぞ、いいか相手を見てからしたから左回しを取って、うっちゃればいけるぞ。いいか、炎鵬、今日はやれるぞ。今日は、おぼこのあきちゃんが応援に来ているんだぞ。自信を持って行け。
それに、北の富士山に小さいものが大きいものを倒す姿を見せてやれ。いいか、わかったな炎鵬。

すいません、私が何か興奮していますね。もう取り組みが始まります。何としても今日は勝ってください。

あ~、あ~、やった、やった、炎鵬が言葉どおり、千代丸をうっちゃりで倒しました。

こんなことあるんですね。思いが伝わりました。思いが伝わったようです。

うめ爺もうめ子も、社長までが涙を流して、感動しています。社長は、周りの方にもお礼を言っているようです。
うめ子なんて、北の富士山のいる解説室に行って、サインをもらっています。うめ爺は、舞の海さんと何やら話し合っているし、本当にいい一日になりました。

思いというのは、通じることがわかりました。ありごとうございます。

第13話 おぼこのあきちゃん 幸せな夢

ときどき、こんな夢を見ます。

高い山に登って行く途中、何ともきれいなお花畑に出会い、ハイジやペーター、それに子ヤギのゆきちゃんまでいてみんななかよく遊んでいるんです。

するとハイジが待っていたのよ、早く行きましょうと私の手を取って歩き出したんです。

どこへ行くのと聞くとおじいちゃんがあたたかいミルクを用意して待っているのよ。おぼこのあきちゃんに飲ませて早く元気になってもらいたいそうよ。

だっておぼこのあきちゃんは私たちを大事にしてくれるでしょ。いつもテーブルの上に置いて私やペーターそれにゆきちゃんまで大事にしてくれるんですもの。

クララがあんなに元気になったのも、おじいちゃんのミルクなのよ。だからおぼこのあきちゃんに飲んでもらいたいの。もっと元気になって、お父さんやお母さんそれにお姉さんを安心させてやってほしいの。わかった、おぼこのあきちゃん。

わかったわ、ハイジありがとう。そんな夢でいつも終わります。

これって、もしかして、ハイジがうめ子で、ペーターがうめ爺ですかね。ゆきちゃんはいったい誰ですかね。
ただ、はっきりしているのが、おじいちゃんは、間違いなく社長ですね。

あ~、あ~、やだやだ。私は夢の中でもみな様に守られているんですね。幸せなことです。

がんばれ、がんばれ、おぼこのあきちゃんですね。

アルプスの少女ハイジについて何年か前にテレビで放映され、原作を読んでみした。
スイスの自然の美しさや小さなハイジが頑張っている様子に感動しました。

希望に満ちた作品で大人の方が読んでも心に響くものがあります。
緊急事態宣言の中、お家にいる時間も多いかと思います。ぜひ、一度読んでみてください。
本当の豊かさを教えてもらえるようで、幸せな気持ちになります。いろいろな本が出ていますが、福音館文庫の挿絵が素敵です。

第12話 おぼこのあきちゃん いよいよ免許をとりたいと思います。

うめ爺からは、「私が教えるので心配は無用です。」とか、うめ子も「おぼこのあきちゃんなら大丈夫です。」とか、社長にいたっては、「必要なものだし、いい経験になるよ。それに今は安全装置がついているのでおぼこのあきちゃんでも問題はないと思います。」とか何とか言ってくれますけど、自慢じゃないですが、運動神経というものが、この私にはついていないんです。

ほんとうに運転免許証などとれるとは思えないんですが、新天地に行くにはどうしても必要なものなんです。そろそろ心を決めなければなりません。

そんなわけで、今日は、某遊園地のこどもゴーカートに挑戦することになりました。
うめ爺の提案でそこから始めることになったんです。小さいからって、ほどがありますよね。みなさん、子供用ですよ。でも運転できるか心配です。

うめ爺が、「右側のペダルをゆっくり踏むと走り出します。左側のペダルを踏むとブレーキが掛かり止まります。」と言いますが、子供達はいきよいよく走って楽しんでいます。

私は、どうもいつもの顔じゃなく、何か引きつっているようです。うめ爺、うめ子、それに社長まで見ていますが、何か笑い転げています。どうしてですかね。何とかなると思いますのでやってみます。

右側をゆっくり踏みますね。あれあれ動きますよ。不思議ですね。ハンドルは、まっすぐです。それでは、右に曲げます。はい、右に曲がりました。何だか、スピードは遅いですが大丈夫なようです。

はい、止まります。左側ペダルを踏みます。ワ~、強く踏んだようです。これを急ブレーキと言うんですか。びっくりですね。

うめ爺から、もう少し、スピードを上げるように指示が出ましたので、もう少し踏み込んでみたいと思います。

後ろの方で、子供達が、渋滞して文句を言っているのです。失礼な子ですね。
「おい、子供いいかげんにしろよ」と言ってしまって、もう運転すると人格が変わるもんですね。

気をつけなければいけませんね。みなさんご迷惑をおかけしますが、もう少し長い目で見てください。

それでは、がんばるとしますか。「あの子供は、どこにいきやがったのか?」
すみません、すみません。気をつけます。

富岡の桜、満開です。東京にいるとは思えないほど、のどかでいいところです。

第11話 縁結び

これからお話しすることは、びっくりすることばかりですが、私は、子供の頃から身体が弱く、両親やお婆ちゃんが心配して、知り合いの祈祷師さんに見てもらい、最後に言われた言葉が、「毎年1月18日には、浅草の観音様にお詣りすれば健康になりよい人生が開かれる」と言われました。それからというもの母と一緒に毎年1月18日には、浅草寺に行って観音様にお詣りするのが今でも続いております。

たしかに、やまと堂に来てからというもの私は身体が丈夫になり、アトピーもよくなり、おしかばあさんや、社長、それにうめ爺、うめ子に助けられ、毎日楽しく過ごすことが出来るようになりました。
それこそ、縁あって昨年は、富岡に理想とする土地を入手することが出来ました。将来を見据えてやまと堂のお客様の癒しの場所でもあり、おぼこのあきちゃんの売店や、通信販売の拠点になる予定です。

少し長くなりましたが、びっくりするお話とは、その富岡の土地は、岩井堂観音の入口にあるんです。
昔、岩井堂観音の小さな観音様が嵐によって川に流され、今でいう隅田川の河口付近で漁師さんの網にかかり、その後、その観音様が浅草寺の始まりになったそうです。

それを地元の方に聞き、伺ったところ、浅草観音のふるさと岩井堂観音と書いてあり、びっくりして、声も出ませんでした。

ここで、観音様をお守りしながら生きていければこんな幸せなことはないと思います。観音様の縁結びに感謝です。

お爺ちゃん、お婆ちゃん、父、母、お姉ちゃん、それに、うめ爺、うめ子、社長、この縁を大事にしたいと思います。これからもよろしくお願いします。

びっくりしましたが、不思議なことですね。
今日より、明日、もっとよい日になりますように。

岩井堂観音に行かれる場合、とても急な山道を登ったり、降りたりしますので、スニーカーなどの歩きやすい靴に、動きやすい服装で行かれるとよいかと思います。足下に十分お気をつけください。




 

第10話 おぼこのあきちゃんのお正月

あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
年末年始は、やまと堂の2階で一人ぼっちのお正月を迎える予定でおりましたところ、幼友達のちえちゃんとかよちゃんが来てくれたり、うめ爺うめ子も来てくれて、みんなで新年を迎えることになりました。

やまと堂の2階では3密を守れそうもないので、富岡の広い土地でみなさんと寒中キャンプをすることになりました。初めての経験でしたが、闇夜の中に浮かぶお星様がキラキラ輝いてみとれるばかりでした。

持ち寄った食材でお鍋を囲み、たき火の周りにはお餅を並べ、炎の中には、お芋をアルミホイルに包み入れましたところ、こんなにおいしいお芋は初めてです。

一人ぼっちで過ごすお正月がこんなことになるとは思いませんでした。みな様に感謝です。
紅白歌合戦や行く年来る年は見る事が出来ませんでしたが、うめ爺、うめ子が新年あけましておめでとうと言うと、何やらテレビで練習したそうですが、ファイヤーダンスを披露してくれました。今日のためにだいぶ前から練習していたらしく、私を含めてちえちゃんもかよちゃんも感動して涙が止まりません。

岩井堂観音へ初詣に行く近隣の人達も集まり拍手かっさいです。
何と二人の裏方をしているのはどうも社長のようでした。私はやはりやまと堂や観音様に守られてここまでこられたんですね。
本当に幸せなものです。今年も頑張りますので、よろしくお願いします。

第9話 おぼこのあきちゃん まさる君との出会い

11月に入りまして、社長からうれしいお話をいただきました。
おぼこのあきちゃん、コロナの影響で思うように通販は進みませんが、まさる君に会いに行ってきたらどうですか。いい気分転換になるし、まさる君は、腕の立つ大工さんです。それが今いるところがわかったんです。青根温泉、希望閣にいるそうです。

社長、まさる君は、そこで何をしているんですか。

伊達藩の別荘として、昭和7年に再建された昭和の名建築、青根御殿の修繕をお手伝いしているそうです。それもアルバイトをしながらボランティアで参加しているそうです。そこが終われば、また名建築の修繕を求めて旅をしているそうです。
おぼこのあきちゃんに会わせておきたい人です。まさる君にとってもいい出会いになると思います。女将さんを通してまさる君にも伝えてありますので、急いで行ってください。

青根温泉は、蔵王山のふもとにある小さな温泉と聞いておりましたが、ずいぶんとひなびた小さな温泉ですこと。
さっそく女将さんに連れられて青根御殿に行きましたところ、小太りの小さな青年が笑顔で迎えてくれました。どこかでお会いしたようななつかしい気持ちになりました。

おぼこのあきちゃんですか。遠いところまでありがとうございました。実は私は、おぼこのあきちゃんに2度お会いしております。立川共済病院に小さいとき入院しておりまして、頭の手術を受けました。その時、重度のアトピーで入院していたのがおぼこのあきちゃんです。

あのときの子があなたですか。私のお菓子をとったので「いけませんよ。」と言ってその手術をした頭をたたいたのを覚えております。まさる君、あなただったんですか。

はい、そうです。二度目は、大問診療所の前のバス停でお会いしております。

バス停の前でよく飛び跳ねていた少年ですね。

私もずいぶん苦労しましたが、まさる君も苦労したんですね。

そのお陰で今があります。女将さんからいろいろ聞いておりました。おぼこのあきちゃん一つお願いがあります。私が修繕を終えた後、今しばらくかかりますが、私に富岡の売店を作らせてください。おぼこのあきちゃんもこれからです。私もこれから日本一の大工になりたいんです。たたかれた痛みは今でも忘れません。観音様にたたかれたようです。今でもお前はまだだめだよ、ペンと頭をたたかれます。私の一生の宝です。

私の小さな売店ですが、まさる君、よろしくお願いします。いつまでも待ちますよ。

東北の紅葉はとてもきれいです。感動します。

第8話 おぼこのあきちゃん 富岡の秋

いよいよ明日は、富岡の草刈りが始まります。

今年は雨も多く、夏の間に伸びた草が背丈ほどになり、冬を前にうめ爺うめ子、それに社長と私の両親も参加してきれいにすることになりました。

どうも社長という人は、なんでも形を大事にするところがありまして、10月の初めにワークマンで作業服をそろえ、カインズホームで本格的な草刈り機を購入して、仕事を終えた夕方6時から全員が集まりお店の前の駐車場でほぼ毎日練習なんです。

毎回、防護マスクに前かけ、足には長足袋又は長靴です。
草刈り機をかかえて、社長のかけ声でみなさんいっしょに「右から左へ」といいながら草を刈る練習が毎日なんですよ。

母は、腰を痛め、父は、手に血豆をつくってしまい、とうとう参加できなくなり、うめ爺は10月半ばに来なくなりました。

そんなわけで、うめ子と私はこの練習にたえたおかげでずいぶん草刈りが上手くなったようです。
さすが、社長です。尊敬するしか無いと思います。

明日は、父と母には刈り取った草の袋詰めをしてもらおうと思います。
うめ爺には、かわいそうですが、サボった反省をしてもらわなければなりませんので袋詰めした草を集めてもらい、お昼にはおにぎり一個とたくあん二切れだけです。
どう見ても太りすぎですのでやせてもらいたいものです。うめ爺もやまと堂の宝なんですから。

当日は、うめ子と私はピンクの作務衣で参加しますので楽しみです。
明日も良い日になりますように願っております。


富岡の秋の風情をお楽しみくださいませ。





 

第7話 おぼこのあきちゃん 大相撲へ行く

今年の秋は、楽しみにしていた社員旅行もなくなり、うめ爺、うめ子それに私も仕事、仕事で一年が終わるのかと思っておりましたところ、社長からお休みの日に大相撲9月場所に連れて行ってもらうことになりました。

テレビ解説の北の富士親方が、「炎鵬は、小さい身体で本当によく頑張っている」と申しておりました。また、こうも申しておりました。「小さいにもほどがある、女の子が土俵にいるようだね。」まったくその通りでございます。炎鵬は、私と同じです。そんなわけで、今日は、両国国技館まで行って、炎鵬を応援しようと思います。

売店によって、社長は竜電タオル、うめ爺は、先場所復活優勝した照ノ富士タオル、それに私とうめ子は、炎鵬タオルに炎鵬巾着まで買って応援することにしました。

座席は、西の3番4番です。西の花道がすぐそばです。もしかしたら、炎鵬と会えるかと思っていたところ、幕下が終わり、幕の内土俵入りでは、東の花道から入場して、土俵に上がり私のちょうど目の前にいるのは炎鵬なんです。うめ子とタオルを広げて一生懸命「炎鵬、炎鵬がんばれ」と言ったら聞こえたようで何か歯にかんで笑っているように見えました。

今場所は、体重が減ったせいか、相撲に迷いがあるようです。誰にでも試練はあります。ここを乗り越えて頑張ってほしいです。炎鵬も阿武咲に負けて涙ぐんでいるようでした。それでも、明日があります。夢も希望もあります。きっといいお相撲さんになります。私も夢と希望に向かって人生を成長させたいと思います。

うめ爺、うめ子、社長、本当に素晴らしい一日をありがとうございました。

第6話 おぼこのあきちゃんの日々の暮らし 誕生日会は18日

8月に入って最初の大安の日に待ちに待った、ニトリさんから事務所用の家具類が届き、なんとか組み立てを終え設置することが出来ました。
やまと堂の2階に通信販売の事務所に商談の出来るテーブルにいすも用意しました。

明日は、観音様の日でもあり、私の誕生日の8月18日です。社長に約束をお願いしました。
私が小学生の頃、どうしても出来なかったことがあります。青梅の多摩川にある乙女淵の観音岩の上から飛び込めなかったんです。幼友達のみなさんは楽しく飛び込んでいたのですが、私だけ両足を抱えて泣いていたんです。こわかったんです。でも今は違います。うめ爺、うめ子も楽しみにしているので3人で飛び込んできます。毎日が健康で生かされている自分がいます。
そのお約束とは、「3人で飛び込めたら、社長、お誕生日祝いに五日市にある白茶屋はどうでしょうか」と申しましたところ、
社長が「白茶屋で食事をしたらみんなで子供に返って下の秋川で水遊びをしますか」と言ってくれました。
それに白茶屋の社長さんにお会いして、この風情ある田舎屋をどうやって作っていったのかお話を伺って、新し富岡の地にいかしたいそうです。

そんなわけで、楽しい8月18日になりそうです。
やまと堂の繁栄とみなさまの健康を祈ってがんばって行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。

みなさまにしか言えませんけど、浮き輪をつけて飛び込みますのでご安心ください。通信販売ももうすぐ始まります。



 

第5話 おぼこのあきちゃん日々の暮らし 梅雨の晴れ間

今日は、お仕事を午前中に済ませ梅雨の晴れ間を利用して、バスで東青梅駅から富岡へ行くところです。
その姿は、まるでこれから畑仕事に行くようです。麦わら帽子に足袋にもんぺ姿です。しょいかごには草刈り用のカマにお昼をいただくおにぎりも入れておきました。まるで小学生の遠足のようで楽しいです。

新しい土地での草刈りをして、川を見ながらおにぎりをいただく予定です。
近隣の方へのご挨拶は済ませてありますので、今日は時間があれば岩井堂の観音様へお参りに行きたいと思います。

お願い事が3つあります。
1つは、うめ爺の体重がこれ以上増えないように。
2つめは、うめ子にいい人が現れますに。
最後に、通信販売が上手くいきますように。お願いしたいと思います。

もう一つありました。
やまと堂を利用してくださるお客様が健康になることです。
観音様よろしくお願いします。

ここには、素朴な田舎が残されています。
やはり社長は目の付け所が違うようです。
「おぼこのあきちゃん、都会は便利になりすぎて物事が見えなくなっているよ。
こういう所で不便を楽しめば、いろいろな事がよく見えるようになり通販で本当に必要なものがわかると思うよ。大事なことだよ。」

早く、売店が出来るとよいです。
社長が用意してくれた衣類や道具は、どこで買ったんでしょうかね。
ちょっと恥ずかしいですが、このかっこうで帰ることにします。
でも帰りは、成木病院経由はよしておいた方がよいかもしれません。ちょっと心配です。
それでは、またみな様と次回お会いすることにします。がんばります。

小さな頃から食べていた青梅せんべい(梅しそ味)です。
うめ子も大好きな和菓子です。

第4話 おぼこのあきちゃん 日々の暮らし

朝目覚めると、周りは商品の山です。3ヶ月もたち仮住まいもなれてきたようです。電車の音、どこからか聞こえてくるカラオケの歌声に都会の生活を感じます。
大沢温泉での修業時代は、朝五時に起きて、一日が始まり、湯治部の売店を閉める9時まで毎日が戦いでした。
青梅に帰ってきて穏やかな日を迎えられて幸せです。

それでも朝9時を過ぎると全国のお客様から注文がFAXによって届けられます。
おしかばあさんや社長が教えてくれた言葉があります。「全てはお客様のために」です。
FAXの内容によっては、お手紙を添えたり、電話をして近況を伺い場合によっては、社長に代わって相談をしてもらいます。そしてOKがでれば、商品を梱包して一言心を込めて「一日も早い回復を願っております」と手を合わせます。

大沢温泉の売店でもこけしちゃんを毎日磨いているとこけしちゃんが「お客様のところへ行って来ます。かわいがってもらえるようがんばります。」と声が聞こえてくるようです。どんな商品も私たちと同じなんです。私の思いがこけしちゃんに入ってお客様のところに行きます。本当にやりがいのある仕事をさせていただいております。

そのような毎日ですが、休みを利用して私が扱う通販商品を探しにいろいろなところに出かけております。いいなと思うものを見つけるために自分の目で見て確かめて仕入れをしたいと思います。妥協できませんので今しばらくお待ちくださいませ。

みなさまが都会にこんないい田舎があり、時間が止まったような場所で心を癒やしていただき、お役に立つものを用意したいと思います。すべてはこの売店から始まります。こうご期待ください。今日は、うめ爺、うめ子、社長におやきでも買っていくことにします。前へ前へ進みます。がんばります。


第3話 何があっても前に進みます。

東京駅から中央線に乗換え立川を過ぎると懐かしい景色が広がってきました。
何だか青梅に近づくにつれて心もウキウキです。うめ爺にうめ子それに社長はどうしていますか。早く会いたいです。
河辺駅を降りるといつもとうきゅうが出迎えてくれたのが、今ではイオンになっておりました。
3年の月日を改めて思います。ああ、やっと帰ってきたのね。これで修行は終わったのね。

今は、やまと堂2階の倉庫にスペースを作り、そこで仮住まいをすることになりました。
通販の事業もここで始めるつもりで、何品かは、仕入れを始めておりましたが、皆様ご存じの通り、ここ青梅でもコロナウイルスによって、人も物もすべて時計の針が止まったように、何も事が進まなくなりました。とてもくやしいことですが、神様がもっと役に立つ商品を見つけるチャンスをくださったものとして考えることにしました。
本当に申し訳ございませんが、今しばらくお待ちいただいて、始めたいと思います。
本当にくやしいことですが、ここは、がまん、がまんです。

通販以外では、やまと堂にいいお話があり、本当にロケーションのよい土地が見つかり、うめ爺、うめ子のお家や通販の本拠地となる「おぼこのあきちゃんの売店」を兼ねた住まいに、社長の母屋も作ることになりました。
社長が地方から来るお客様にここでくつろいでもらいたいとのことで選んだ土地です。
お泊まりいただき、いろりで語らい、帰りには、畑でとれたものを持たせてあげたいそうです。
うめ爺、うめ子も私も社長も休みの日には畑仕事で汗を流し、よいものを作ってお客様の健康に役立ちたいと思っております。
夢は膨らむばかりですが、すべては、自立した生き方をするためです。夢と希望を持って頑張りたいと思います。

コロナウイルスが、終息してまたいつもの日々が来ることを願って精進していきたいと思います。今しばらく通販の方はお待ちください。準備ができ次第発売したいと思います。よろしくお願いします。

自然豊かな土地で小さな売店(和雑貨、お香など)を始めるのが楽しみです。


 

第2話 おぼこのあきちゃん薬やまと堂との出会い

少し、私のプロフィールを紹介したいと思います。
私は生まれてまもなく親から離れて、病院生活をすることになりました。
誰よりも弱く、誰よりも小さい身体を守るにはそれしかなかったようです。
親との面会はありましたが、結局私は一人でした。出来ることは何でも一人でやらなければなりませんでした。
そして何とかお家で生活できるようになっても毎日がつらい日々でした。
特に女性として生理が始まった13歳からは毎日が生きることで精一杯でした。学校には行けず入退院の繰り返しでした。
生きる希望も喜びもなく過ごす日々でした。そんなとき、手を差し伸べてくださったのが、薬やまと堂の先生でした。
お顔による体質判断とその体質からわかる精神的な問題を解決していきました。
そして、健康はもとより幸福になるための道も見つけることが出来ました。薬やまと堂で自立への道を歩くことを決意しました。
私のような人生を歩んでいる方の励みにもなり、目標としていただくため、精一杯頑張っていこうと思っております。
そんなわけで簡単ですが、人生遅れに遅れたおぼこのあきちゃんをよろしくお願いします。

うめ爺、うめ子が好きな青梅の桜です。とても素敵なところです。

第1話 おぼこのあきちゃん修行を終える

私は今、やまびこ18号に乗車しております。3年間の修行を終えて東京に向かっております。大沢温泉で過ごした日々が昨日のことのように思い出されます。

ある日突然、おしかばあさんから3年間よく頑張ったね、もう私の教えることはないよ。とっとと青梅に帰るんだね。そしてここで学んだことを社長の元で存分に発揮することだね。私の元で修行したことはどこへ行っても十分通用するから心配することはないよ。思う存分やることだね。私も楽しみにしているよ。それとあんたのお化粧道具一式は新しいのを用意しておいたので3年間のお給料と一緒に持って行きなさい。

私は、おしかばあさんのおかげで生まれ変わって新しい人生を歩むことにしました。お化粧はもうしません。誰かにあげてください。その代わり3年間のお給料はいただいていきます。それを元にやまと堂で通販事業を始める予定です。

さすが私の弟子だね。いつかは私と一緒にだめな旅館を買い取って立て直したいものだね。おぼこのあきちゃん。私が相撲を見に東京へ行ったときは出ておいで。楽しみにしているよ。

そうやって、おしかばあさんの元を旅立ちました。どうしても、私のような生まれながら小さく、弱く、それにアトピーに苦しんできた人生です。それが社長に弟子入りし、さらにおしかばあさんの元で修行したおかげで、身体は丈夫になり本当の新しい人生が始まったようです。この経験を生かして、私のように苦しんでいる方々に通販事業を通して本当に必要としたもの、役に立つもの、私が苦しんでいたときに心の支えとなったものなどを順次ご紹介していきます。楽しみにしていてください。