お話をお聞かせください。相談余話

相談余話

第89話 どこにでも先生はいる

医食同源紙をきっかけに札幌からお電話をいただきました。お客様に感謝申し上げます。お顔で体質チェックは、私どもの18面(ホームページ参照)をもってわかりやすく体質を示したものですが、いまだ研究途上にあります。現在の方々の体質、特徴をもっとわかりやすくしたいと思います。日々進化させてまいりますので、またよい意見をお願いします。
「我以外皆我が師」です。よろしくお願いします。  店主
 

第88話 私の一人言

世間に合わせた生き方にもいつか限界が来ます。転ぶ前にもう一度自分の足下を見つめ直してはどうでしょうか。世間がどうであれ、ゆっくり、ゆっくりでも立ち止まってもいいんです。自分の歩き方を見つければ、転ぶこともないですし、それが一番幸せにつながることだと思います。人生は、細く長く、一歩、一歩ですかね。自分に言い聞かせております。  店主
 

第87話 沈黙も言葉

言葉少なでも、確たる存在感を示す人がいます。話し下手でも誠意が伝わる人もいます。沈黙も「秘めたる言葉」です。心を込めて、ゆっくり話していただければ、しっかりと相手に届きます。どうぞ安心して、相談に来てください。  店主

 「 君看ずや 双眼の色 語らざれば 憂いなきに似たり 」 良寛さんより

第86話 「我以外皆我が師」

今月は、手前みそですが、私の事が医食同源紙に掲載されました。取材から校正にいたるまで、お世話になったIさんに感謝いたします。ある陶芸家が、まだ世に出る前、台所で妻が米びつの底のわずかな米をたたいて拾っている姿を見て、涙が止まらなかったそうです。もう少し我慢してくれという思いで、ろくろを回し続けたそうです。今では、彼の作品は美術館でしか見ることが出来ません。苦労のどん底にいるときほど、人間は成長しているんですね。  店主

第85話 もう一度「治りきる力」、「生き抜く力」を信じて

厳しい寒さの中にも春の兆しが感じられるようになりました。うめの花はふくらみ開花を待つばかり。野山では、小さなふきのとうも出始めたようです。とどまることを知らず、日々自然は変化しております。私たちもウイルスも自然の中で生かされている存在であるならば、どこかで共存できる日がくると思います。その日がくるまで「治りきる力」、「生き抜く力」を信じて日々過ごしたいと思います。 店主

花をのみ 待つらん人に 山里の 雪間の草の 春を見せばや
                             藤原家隆

第84話 コロナ先生の一言

新年あけましておめでとうございます。
今年は、無事にそして安心して暮らせる年になることを願っております。
セルフメディケーションとは軽い病は自分で治すことですが、このコロナによる感染症が私たちに何を語ろうとしているのか、一つは自立すること、いわゆる治療を必要としない体を作ることではないでしょうか。自ら予防することこそ求められているように思います。人に頼って不平不満をもつか、手を差し伸べられて感謝の思いになるかが問われているようですね。自分を見つめ直すいいチャンスですね。  店主

第83話 かけがえのない出会い。

馴れぬ土地でパン職人として修行に励んでいたあい子さんが病で亡くなりました。病名は、末期の乳ガンでした。父や母のことを思い不安と恐怖を乗り越えて頑張っていたのではないでしょうか。家業を継ぐ夢は叶いませんでした。小児ガンの子供さんが同病の友達のために千羽鶴を折ることを約束し、千羽を前にして亡くなった話を思い出しました。ご冥福をお祈りしたいと思います。  店主

第82話 「耳根清浄にして苦患なし」

毎年のことですが、教えを受けた方々が眠る墓苑(松岡山東慶寺)が思い浮かばれます。今の季節は、山門を入るとそこには、紫苑が終わりかけ、秋明菊や野葡萄が見られるようになります。そしてしばらすると、私の好きな竜胆が見頃になります。11月の末には紅葉を迎え墓苑も東慶寺も1年を締めくくります。今年もいろいろな出来事がありましたが、東慶寺墓苑は変わることなく新年を迎えることでしょう。
師いわく「自然が問いかける声が、自分に何を教えようとしているか。」  店主

第81話 Hさん退院おめでとうざいます。

うめ爺うめ子バスでご縁をいただいたHさん、退院の足で真っ先にかけつけていただきありがございました。病院では末期ガンと告げられ、治療のほどこしもなく、体力も気力も失い疲れ切った身体で奥様と見えてくださいました。それが体力の回復とともにお医者様での治療ができるようになり、今日という日を迎えることができました。体力の回復とともにチャンスをいただき、将来の夢と希望につながったのだと思います。これこそ、この仕事を選んでよかったなと思う瞬間です。決してあきらめなかったHさん、おめでとうございます。そして、ありがとうございました。 店主

第80話 がんの相談について

相談の中でも多いガンの相談について一言述べたいと思います。病院の治療を一通り終えてもかんばしくなく、最後は漢方でもと思って見えてくださるお客様がおります。ほとんどの方が体力を失い、再度の治療は無理な状態です。そのようなときほど、心に寄り添い、ガンに寄り添い、治療で失った体力の回復につとめてもらいます。心の有り様を持って身体を考えることで、将来の希望も生まれるのではないでしょうか。  店主

第79話 病は生き方

心の有り様が、身体の有り様によって支えられていることを「がんは、生き方の病気」と船戸崇史(ふなとたかし)医師が自著の中で述べられております。深い反省の元に生き方を変える。それはまさしく心の有り様をもって身体を考えろとおっしゃっているようです。死と向き合いそれを受け入れた人のお顔は言うに言われぬよいお顔になるものですね。
「君看ずや 双眼の色 語らざれば 憂いなきに似たり」 良寛さんより  店主

第78話 ある夫婦のかたち

ある日の事、Aさんから相談がありました。私の妻が、最近は私が話しかけても、ただ眠いのと言っては、自分の部屋で横になっているそうです。軽い認知症の症状があるものの、週2回の介護を受け、自宅でお二人頑張っております。奥様は介護の方が来ると楽しくていつまでもお話をしているそうです。そんなお話を聞いておりまして、思うように行かない自分の気持ちに奥様は今、不安と孤独でいっぱいだと思います。一番理解し、寄り添ってもらいたいのは、ご主人のAさんですよ。できたらやさしい言葉「愛語」をお願いします。つらかろうな、さびしかろうなという気持ちで、やさしく接してもらえば、もう眠いとは言わないはずです。  店主

第77話 O君、一歩でも前へ

営業マン、O君。おめでとうございます。10年目にして君からいただいた名刺を見て共に歩んできた歳月への宝物のように思います。大海は水の一滴、一滴であり、ひとつまみの土の積み重ねが山をつくるように、日々の努力の積み重ねが、今の君です。これからも一瞬たりとも疎かにせず、一滴の水、ひとつまみの土を忘れず、人間性を磨き上げてください。これからも君の成長を楽しみにしております。  店主

第76話 「恥の文化」は生きている。

四月に入り、店舗の修繕に来ていただいた大工さんとお話しする機会があり、「見えないところほど気をつかうし、後でを恥をかきたくないよ。」とおしゃっておりました。おそらくこの方は、何年も下積みを重ね、そして今、表の仕事をしっかりやっているようです。私の先生もお茶のお稽古を例にとり、「水屋でしっかりやってきた人でないと、いくらお手前が上手くてもだめなんです。」とおっしゃっていたのが思い出されました。どんな世界でも「恥じることのない」プロとしての生き方をしたいものです。ありがとうございました。 店主

第75話 「足るを知り、不足を楽しむ」

春風によって、梅を追いかけるように桜が咲き始めました。今年も桜の季節です。自然の営みの中で、また人の一生も一瞬の生を謳歌して花を散らすように終えていきます。新型ウイルスの発生も自然の中の営みの一つと考えると、自然はウイルスを通して私たちに何を語ろうとしているのか、耳を傾けなければいけないと思います。自然の声として、もしSOSを受け取るならば、私たちの生き方を考えるときが来たようです。「足るを知り」「不足」を楽しめるならば、自然に寄り添うことが出来ると思います。  店主

第74話 あるべきものが、あるべきところに、あるべきようにある。

春風によって、梅が咲き始めるように、日々変化し、景色も変わろうとしています。コロナウイルスによって、「免疫」という言葉がクローズアップされておりますが、病気というものが自然に治るように私たちの身体は出来ております。その力の基本が「免疫」です。難しい病気・原因不明の病気の裏側に「免疫」が大きくかかわっています。「免疫を正していく」には、「食事のバランス」、「質のよい睡眠」、「適度な運動」を心がけることが大事です。ストレスを溜めずに生きがいのある生活をしたいものです。

春は花、夏はほととぎす、秋は月、冬は雪さえて、すずかしけり 道元禅師より

第73話 今年は無病息災です。 21年1月

あけましておめでとうございます。コロナ禍での年明けを迎えましたが、いかがお過ごしでしょうか。
我が家では、鏡餅を用意して「年神様」を迎えました。「五穀豊穣」「長寿」「無病息災」「家内安全」それに「商売繁盛」を願いました。11日をもって、神様をお送りする意味で鏡餅をいただく「鏡開き」をして、その力を授けてもらいます。何よりも今年は、「無病息災」です。やまと堂も「治りきる力」「生き抜く力」をテーマにみな様に少しでも「漢方の力」を授けられるように頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします。身の引き締まる思いです。今日より明日へ、前へ前へ進め、よい日が来ますように。  店主

第72話 安心できる生活が何より 20年12月

まもなく、12月です。すでに山では、赤や黄色のじゅうたんにおおわれ錦秋の季節を迎えます。一年の終わりが見えてきました。新型コロナウイルスについては、まだ先が見えませんが、これ以上の犠牲者が出ないことを祈るばかりです。また、一年を通してご来店くださいましたお客様が無事に新年を迎えられ、笑顔でお会いできることを楽しみにしております。いつの間にか、今年のテーマになりましたが、「治りきる力」、「生き抜く力」を少しでも授けることが出来たか、反省するばかりですが、来年も「漢方の力」を信じてお手伝いすることが出来れば何よりです。みな様の健康と何より安心できる生活を取り戻せますようお祈りしたいと思います。
本当に一年間ありがとうございました。また、来年もよろしくお願い致します。  店主

第71話 毉(い)が示すもの 20年11月

秋も深まり、肌で季節の移り変わりを感じる頃です。忙しい毎日の中で、気がつくと日が落ち一日が終わっていきます。つつがなく今日という日を無事に終えることが出来た事への感謝と同時にお客様に寄り添い、励まし、きっと良くなるという希望を捧げることができたか「名残惜しい」気持ちにもなります。これで良いということがない毎日ですが、明日へのチャンスを与えていただいたと思い、私が励まされているようです。「我以外皆我が師」ですね。感謝、感謝です。 店主

第70話 秋の親子 20年10月

秋の訪れとともに、こんな親子の出会いを思い出します。
お母様が「うちの娘はもうだめなんです。もう治らないそうです。」それは漢方でどうにかなるものではないことでした。とても残念な思いだったと思います。一言だけ言わせてもらいました。「もし、お医者様の許しがあれば、今まで出来なかったこと、たとえば地方の温泉巡りをして少しでも病を忘れて楽しんでみてはいかがですか。いい景色を見て、温泉につかれば食欲もわき、元気になると思います。いい思い出をいっぱい作ってください。ただどこへ行っても定期的に検査だけはしてください。場合によってはすぐ帰れるようにしてください。」と申しました。
この方は、つい最近お母様を看取り、二人の子供さんも成人させました。いつも思うことですが、「治る力」、「生き抜く力」とはいったい何なんでしょうかね。  店主